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如月の文庫化

またまた文庫化の情報が遅れてしまいました。

というわけでふたたび遅ればせながら、「本やタウン」より、来月文庫化される予定のなかで気になるものをピックアップ。


「甘栗と金貨とエルム」 太田忠司 角川文庫
「使命と魂のリミット」 東野圭吾 角川文庫
「シャーロック・ホームズの冒険」 アーサー・コナン・ドイル 角川文庫
「増補版 三度目ならばABC」 岡嶋二人 講談社文庫
「QED 河童伝説」 高田崇史 講談社文庫
「新装版 とらんぷ譚 悪夢の骨牌」 中井英夫 講談社文庫
「砂の城」 鮎川哲也 光文社文庫
「新本格もどき」 霧舎巧 光文社文庫
「浦島太郎の真相」 鯨統一郎 光文社文庫
「ハナシがはずむ! 笑酔亭梅寿謎解噺(3)」 田中啓文 集英社文庫
「華やかな魔獣」 平岩弓枝 集英社文庫
「堂場警部補の挑戦」 蒼井上鷹 創元推理文庫
「天霧家事件」 太田忠司 創元推理文庫
「ホワイトクロウ インディゴの夜」 加藤実秋 創元推理文庫
「黒水仙」 藤雪夫・藤桂子 創元推理文庫
「新版 シャーロック・ホームズの冒険」 アーサー・コナン・ドイル 創元推理文庫
「セッジムアの絞殺魔」 ピーター・ラヴゼイ ハヤカワ文庫
「放火魔」 折原一 文春文庫
「天才たちの値段」 門井慶喜 文春文庫


来月もなかなかに充実したラインナップ。


まず個人的に嬉しいのが鮎川哲也『砂の城』の復刊。光文社文庫の「鮎川哲也コレクション」は、多くの入手困難だった鮎川哲也の長編が手軽に読めるようになったという点で、特筆に値すると思っています。


そして、ノベルス刊行時から気になっていた霧舎巧『新本格もどき』(光文社文庫)。新本格作家がどう「もどかれて」いるのか楽しみ(というか元ネタ全部読めてはないという…)


藤雪夫・藤桂子『黒水仙』(創元推理文庫)。藤父娘といえば、先月刊行された『獅子座』が有名ですが、上記の作品も父娘名義で発表されていたのですね。


中井英夫『新装版 とらんぷ譚 悪夢の骨牌』(講談社文庫)は先月から開始された「とらんぷ譚」シリーズ復刊の第2弾。おそらく一月置きに『人外境通信』『真珠母の匣』と続くのでしょう。


岡嶋二人『増補版 三度目ならばABC』(講談社文庫)は、何が増補されているのかは不明。未発表短編とかだろうか?それとも岡嶋二人年譜とか。


太田忠司『天霧家事件』(創元推理文庫)は狩野俊介シリーズの第5弾。加藤実秋『ホワイトクロウ』(創元推理文庫)はインディゴシリーズの第3弾。高田崇史『QED 河童伝説』(講談社文庫)はQEDシリーズの…えーと…13番目…かな…。


ピーター・ラヴゼイ「セッジムアの絞殺魔」(ハヤカワ文庫)は、「現代短編の名手」シリーズの第9弾。
絞殺魔とくれば、こちらは折原一『放火魔』(文春文庫)。単行本での短編集『疑惑』を改題したもの。


モロにカブったのは古典中の古典、アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険」。角川文庫と創元推理文庫から出ています。どちらも新訳の模様。映画の効果でしょうね。


あと特に気になるのは、蒼井上鷹『堂場警部補の挑戦』(創元推理文庫)、門井慶喜『天才たちの値段』(文春文庫)、鯨統一郎『浦島太郎の真相』(光文社文庫)など。

  # by we_2006 | 2010-01-28 16:17 | 文庫

mixi日記外部ブログ移行と文庫化

ここのブログ(積ん読崩し日記)の方でmixiの日記を反映させるように設定しました。

元々月一で更新していたmixi日記。一方ここのブログはというと、ここ最近多少更新頻度は上がったものの、それまでは(特に今年は)実質停止状態でしたからね。

というわけで、どちらもミステリや文庫のことしか書いていないし、更新頻度の少ないもの同士ならば、統一させてしまおうと。

マイミクの皆さまは今後はこちらのブログでよろしくお願いいたします。


というわけで非常に遅ればせながら、「本やタウン」より、来月文庫化される予定のなかで気になるものをピックアップ。


「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 歌野晶午 講談社文庫
「スロウハイツの神様(上・下)」 辻村深月 講談社文庫
「聖域の殺戮」 二階堂黎人 講談社文庫
「ダブルダウン勘繰郎 トリプルプレイ助悪郎」 西尾維新 講談社文庫
「ソフトタッチ・オペレーション」 西澤保彦 講談社文庫
「1/2の騎士 ~harujion~」 初野晴 講談社文庫
「徳利長屋の怪 名探偵夢水清志郎事件ノート」 はやみねかおる 講談社文庫
「珍しい物語のつくり方」 本格ミステリ作家クラブ編 講談社文庫
「掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南」 輪渡颯介 講談社文庫
「密室キングダム」 柄刀一 光文社文庫
「シャーロック・ホームズに愛をこめて」 ミステリー文学資料館編 光文社文庫
「ZOKUDAM」 森博嗣 光文社文庫
「変調二人羽織」 連城三紀彦 光文社文庫
「硝子のドレス」 北川歩実 集英社文庫
「華やかな魔獣」 平岩弓枝 集英社文庫
「乱鴉の島」 有栖川有栖 新潮文庫
「人柱はミイラと出会う」 石持浅海 新潮文庫
「サクリファイス」 近藤史恵 新潮文庫
「喜劇悲奇劇」 泡坂妻夫 創元推理文庫
「五色のリチェルカーレ」 深水黎一郎 創元推理文庫
「ニライカナイの語り部 作家六波羅一輝の推理」 鯨統一郎 中公文庫
「夜の冒険」 エドワード・D・ホック ハヤカワ文庫
「キララ、探偵す。」 竹本健治 文春文庫
「ワーキング・ホリデー」 坂木司 文春文庫


来月は豊作。「本ミス」にランクインされていた話題作もちらほらと。


歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」(講談社文庫)は待望の文庫化!文庫に落ちるのをずっと待ってたんですよ~。
待望といえば柄刀一「密室キングダム」(光文社文庫)と有栖川有栖「乱鴉の島」(新潮文庫)も嬉しい限り。


西尾維新の文庫化、「戯れ言」シリーズの次はJDCトリビュート作品。しかもまさかの2作合本。


二階堂黎人「聖域の殺戮」(講談社文庫)、西澤保彦「ソフトタッチ・オペレーション」(講談社文庫)はどちらもシリーズのうちの一作で且つSFミステリ。


初野晴「1/2の騎士 ~harujion~」(講談社文庫)は、その装丁から純ファンタジー作品かと思いきや、「本格ミステリー・ワールド2009」で「読者に勧める黄金の本格ミステリー」の中の1つに選ばれるほど本格度は高いらしいです。これも楽しみ。
初野氏は去年の「退出ゲーム」で俄然評価が上がりましたからねぇ。


ミステリー文学資料館編「シャーロック・ホームズより愛をこめて」(光文社文庫)は国内作家によるホームズ・パスティーシュのアンソロジー。
本格ミステリ作家クラブ編「珍しい物語のつくり方」(講談社文庫)は年度アンソロジー「本格ミステリ06」(講談社ノベルス)の文庫化。


文庫落ちが来月に流れた、輪渡颯介「掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南」(講談社文庫)は第38回メフィスト賞受賞作。


復刊組では泡坂妻夫「喜劇悲奇劇」(創元推理文庫)と連城三紀彦「変調二人羽織」(光文社文庫)に期待。
泡坂氏は残念ながら今年亡くなられましたが、泡坂氏も連城氏も「幻影城」出身の作家ですね。


エドワード・D・ホック「夜の冒険」はハヤカワ文庫の「現代短編の名手」シリーズの第8弾。


あと特に気になるのは、石持浅海「人柱はミイラと出会う」(新潮文庫)、竹本健治「キララ、探偵す。」(文春文庫)、はやみねかおる「徳利長屋の怪 名探偵夢水清志郎事件ノート」(講談社文庫)、深水黎一郎「五色のリチェルカーレ」(創元推理文庫)など。

  # by we_2006 | 2009-12-23 13:05 | 文庫

似鳥鶏 「理由あって冬に出る」

7月ごろ読了。

本作は第16回鮎川哲也賞で佳作入選したものです。


いわゆる「日常の謎」物なのですが、若い読者層を狙ってか、表紙の絵は何ともライトノベル的です。
その期待(想像)を裏切らず、軽いテンポの語り口で、魅力的なキャラクターあり、学園生活に散りばめられたユーモアあり、いかにも青春風味な「少々シニカルな主人公」視点ありで、非常に読みやすい作品でした。


これだけならまあ普通なのですが、本作のすごい所はミステリとしても充分な楽しみを用意してくれている点。序盤は多少味気なく感じるかもしれませんが、後半で披露される推理はロジカルで、本格読者の観賞にも耐えうると思います。


そして、作品全体に漂うさっぱりとした雰囲気と終盤のほろ苦い展開、さらに驚愕のラストまでもが、なんというか、どれもメリハリがついているようで、とてもバランス良く見えるのです。


とても楽しく読めました。オススメです。

  # by we_2006 | 2009-11-28 12:55 | ミステリ

鯨統一郎 「パラドックス学園」

確か6月ごろに読了。


怪作「ミステリアス学園」と内容がリンクしている部分もあり、続編といってもいいかもしれません。


今回も「鯨統一郎」色全開で、作者が真面目に「ふざけている」作品です。

エドガー・A・ポー、コナン・ドイル、アガサ・クリスティ、ジョン・ディクスン・カー、エラリー・クイーン(フレデリック&マンフレッド)など、著名な推理作家が同時代に存在し、しかも同じ「パラドックス学園」の「パラレル研究会」に所属しているというパラレルワールド。そんな世界で起きた核シェルター内での密室殺人事件。


実在の有名海外推理作家が登場しているのには、にやりとされられてしまいますね。上記の作家の他にも、ポール・アルテやピーター・ラヴゼイなどの現代本格の書き手がちらっと登場してきたりするのも面白い。


そして何より面白いのが本作のトンデモ密室トリック。このトリック、おそらく前例はないでしょう。


本作のすべての要素はこのトリックために構成されているようでいて、このトリックであるが故にすべての要素が無駄になっているような気がするのは、いかにも「逆説的」ですね。本作は「逆説」「パラドックス」が重要なテーマにもなっていますし。

  # by we_2006 | 2009-11-26 02:19 | ミステリ

鯨統一郎 「喜劇ひく悲奇劇」

これも1月に読了。


泡坂妻夫の「喜劇悲奇劇」へのオマージュとして書かれた回文ミステリーです。

「全篇回文づくし」という売り文句のとおり、タイトル・章題・名前・地名・台詞・地の文章などなど、様々なところに回文が頻出しています。それを見ているだけでも楽しいですね。

自分はまだ未読ですが、オマージュの元となった「喜劇悲奇劇」も併せて読むのも一興かもしれません。


内容はというと、


合宿中の回文愛好家サークル「回文こんぶイカ」のメンバー達が、陸の孤島と化した「高山館」で連続殺人に見舞われる…


と、まあ言わば「クローズドサークル」ものなのですが、凄まじいのは、回文密室、回文アリバイ、回文見立て殺人など、事件が何でも回文に結び付けられているところです(ちょっと強引なのもありますが…)

そしてなぜか中盤ではこれまでの脈絡に関係なく、古今東西の名探偵の名前を含んだ回文を50連発させるなど、とにかく回文作りの執念さにおいては、鯨統一郎らしさが前面に出ていますね。

ここまで回文が入り乱れているのに、解決編で整合性がとれていないかといったらそうでもなく、構造としては案外普通のミステリーであったりします。まあそれは回文に重きを置いているが故だとも言えそうです。

ミステリとしての重厚さという点ではちょっと難ありですが、回文を楽しめて、且つすらすらと軽く読める楽しい作品ではあります。


ちなみに同氏の著作「文章魔界道」では、文豪・ミステリー作家の名前を含んだ回文を連発させるといった「言葉遊び」も披露されています。

  # by we_2006 | 2009-11-04 14:28 | ミステリ

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