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似鳥鶏 「理由あって冬に出る」

7月ごろ読了。

本作は第16回鮎川哲也賞で佳作入選したものです。


いわゆる「日常の謎」物なのですが、若い読者層を狙ってか、表紙の絵は何ともライトノベル的です。
その期待(想像)を裏切らず、軽いテンポの語り口で、魅力的なキャラクターあり、学園生活に散りばめられたユーモアあり、いかにも青春風味な「少々シニカルな主人公」視点ありで、非常に読みやすい作品でした。


これだけならまあ普通なのですが、本作のすごい所はミステリとしても充分な楽しみを用意してくれている点。序盤は多少味気なく感じるかもしれませんが、後半で披露される推理はロジカルで、本格読者の観賞にも耐えうると思います。


そして、作品全体に漂うさっぱりとした雰囲気と終盤のほろ苦い展開、さらに驚愕のラストまでもが、なんというか、どれもメリハリがついているようで、とてもバランス良く見えるのです。


とても楽しく読めました。オススメです。
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  by we_2006 | 2009-11-28 12:55 | ミステリ

鯨統一郎 「パラドックス学園」

確か6月ごろに読了。


怪作「ミステリアス学園」と内容がリンクしている部分もあり、続編といってもいいかもしれません。


今回も「鯨統一郎」色全開で、作者が真面目に「ふざけている」作品です。

エドガー・A・ポー、コナン・ドイル、アガサ・クリスティ、ジョン・ディクスン・カー、エラリー・クイーン(フレデリック&マンフレッド)など、著名な推理作家が同時代に存在し、しかも同じ「パラドックス学園」の「パラレル研究会」に所属しているというパラレルワールド。そんな世界で起きた核シェルター内での密室殺人事件。


実在の有名海外推理作家が登場しているのには、にやりとされられてしまいますね。上記の作家の他にも、ポール・アルテやピーター・ラヴゼイなどの現代本格の書き手がちらっと登場してきたりするのも面白い。


そして何より面白いのが本作のトンデモ密室トリック。このトリック、おそらく前例はないでしょう。


本作のすべての要素はこのトリックために構成されているようでいて、このトリックであるが故にすべての要素が無駄になっているような気がするのは、いかにも「逆説的」ですね。本作は「逆説」「パラドックス」が重要なテーマにもなっていますし。
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  by we_2006 | 2009-11-26 02:19 | ミステリ

鯨統一郎 「喜劇ひく悲奇劇」

これも1月に読了。


泡坂妻夫の「喜劇悲奇劇」へのオマージュとして書かれた回文ミステリーです。

「全篇回文づくし」という売り文句のとおり、タイトル・章題・名前・地名・台詞・地の文章などなど、様々なところに回文が頻出しています。それを見ているだけでも楽しいですね。

自分はまだ未読ですが、オマージュの元となった「喜劇悲奇劇」も併せて読むのも一興かもしれません。


内容はというと、


合宿中の回文愛好家サークル「回文こんぶイカ」のメンバー達が、陸の孤島と化した「高山館」で連続殺人に見舞われる…


と、まあ言わば「クローズドサークル」ものなのですが、凄まじいのは、回文密室、回文アリバイ、回文見立て殺人など、事件が何でも回文に結び付けられているところです(ちょっと強引なのもありますが…)

そしてなぜか中盤ではこれまでの脈絡に関係なく、古今東西の名探偵の名前を含んだ回文を50連発させるなど、とにかく回文作りの執念さにおいては、鯨統一郎らしさが前面に出ていますね。

ここまで回文が入り乱れているのに、解決編で整合性がとれていないかといったらそうでもなく、構造としては案外普通のミステリーであったりします。まあそれは回文に重きを置いているが故だとも言えそうです。

ミステリとしての重厚さという点ではちょっと難ありですが、回文を楽しめて、且つすらすらと軽く読める楽しい作品ではあります。


ちなみに同氏の著作「文章魔界道」では、文豪・ミステリー作家の名前を含んだ回文を連発させるといった「言葉遊び」も披露されています。
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  by we_2006 | 2009-11-04 14:28 | ミステリ

鯨統一郎 「文章魔界道」

今年の1月の読了。
って、もう今年も終わりに近いんですが。

鯨統一郎作品で読んだのは「ミステリアス学園」以来で、今回が2作目。

前回の「ミステリアス学園」は、あまりにもアレがアレでアレなもんで、まあアレだったわけですが(って「アレ」ばっかりですが)、そのときの感想はこちらにありますので、お暇な方は見てくださいまし。


で、今回の「文章魔界道」。

この作品は2002年刊の祥伝社文庫。

この時期にかけて祥伝社は文庫創刊15周年記念の企画で、多くの作家に150枚程度の中編を書き下ろしで依頼し、それをお手軽な「400円文庫」として売り出す、というものをやっていました。

ラインナップには、その分量の少なさからなのか、ちょっともの足りないものも含まれていましたが、恩田陸「puzzle」、若竹七海「クール・キャンデー」などの佳品もありましたし、「まほろ市の殺人」では我孫子武丸・有栖川有栖・倉知淳・麻耶雄嵩という豪華な面々が揃っての競作となりました。

そして、本書「文章魔界道」もその企画による1冊。


一応ジャンルは「ミステリー」となってます。

が、これがミステリーなのか、という疑問符がついたまま、ゆるいギャグ炸裂の鯨ワールドへ連れて行かれ、そしたら清涼院流水もびっくりの執拗なまでの言葉遊びが始まり、作者はいい加減に書いているのか、それとも大真面目に書いているのかが分からなくなってくる、という按配。


言語をいじっていじっていじり倒す。その執拗さはある意味バカミスにも通じるところがあるかもしれません。

とにかく、この作品で作者は言葉遊びを「真剣」にやって見せています。ここで披露されている言葉遊びの「センス」はおそらく鯨統一郎しか持ち得ない。これは、誰も真似のできない(というか誰もやらない)ある種の「技巧」ともいえるでしょう。


まあ、言ってしまえば「おバカ」な小説なのですが、その「おバカ」な小説にも(おそらく)心血注いで書き上げた鯨統一郎は、だからこそ鯨統一郎なのだと、そう思わせられるといえばそうかもしれない。あ、でも、そうじゃないかもしれない。

まあ、そんな作品でした(笑)
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  by we_2006 | 2009-11-03 13:01 | ミステリ

そしてまた久しぶりのスキン変更

前記事から4ヵ月も経ってしまいましたorz


前記事中の「これからこのブログもちょいとずつ更新していくつもり」という所信表明はどこへやら・・・。

と、とりあえずこれからすぐ後に記事上げて行きますんで(汗)


読んでおられる方がいるのかどうかも分かりませんが、拙いホームページとblogではございますが、今後ともよろしくお願い致します。


追記:季節も移り変わったことだし、秋仕様のスキンに変更しました。
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  by we_2006 | 2009-11-03 11:55 | その他

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