カテゴリ:ミステリ( 49 )

 

今邑彩 「卍の殺人」

読了しました。

嬉しい!今回は私の推理が当たりました!
やりましたよ~
達成感に浸ってます。

この作品は東京創元社による企画「鮎川哲也と13の椅子」の13番目の椅子(一般公募作)に選ばれたものです。
陰鬱ともいえるような旧家で起こった殺人事件。謎に次ぐ謎。そしてそれらを最後まで本格として解き明かそうとしている部分が、いかにもこの企画から生まれた作品だということを物語っているように思います。

率直な感想をいうと、この作品で用いられているトリックは、見つけやすいが作りにくい類のものだと思います。伏線の部分を読むと実に手が込んでいて、複雑ですがそのほとんどに必然性があり、見事だと思います。これを一から作り出すのは容易ではないだろうと。
だけれど、ひとたびヒントを見つけると、糸が解れていくように作者が示した真相へと進むことが出来るのです。

トリックの見破られやすさは重要ではない。トリックが看破されたときに、それによって読者が推理した解答は、作者があらかじめ提示した真相に、ある程度の一致を見せなければならない。これが読者に対する「フェア・プレイ」であり、本格ミステリの重要な部分なのかもしれない。
そう思わせてくれる作品でした。
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  by we_2006 | 2006-09-22 10:21 | ミステリ

東川篤哉 「密室の鍵貸します」

読了しました。

この前読んだ「Xの悲劇」は読むのに多少気合いが入りましたが、それに比べこの作品はユーモアミステリということもあって、本当に気軽に(良い意味で)読めますね。

事件が派手に勃発するという類のものではないので、その意味では多少地味かなという印象でした。
が、そんな印象も読み進めていくうちにどこへやら。ユーモアミステリといえど、トリックは実に複雑で巧妙。うまい具合に読まされ、騙された、といった感じですね。サクサク読めて、且つ読み応えも充分という。

東川作品、また文庫化されれば買ってみようかな(って文庫かよ)

関係ない話になりますが、この作品を読んでいる途中で、つい数日前に読んだ鮎川氏の某短編を連想しました。が、推理の参考にまではできず、結局作者の思うがままにミスリードされまくっていた私です。
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  by we_2006 | 2006-09-20 18:45 | ミステリ

エラリー・クイーン 「Xの悲劇」

読了しました。

この「Xの悲劇」、ミステリは読まずとも名前だけは聞いたことがある方もおられるかもしれません。

もちろん本格ミステリ読みの人にとっては、何を今更そんなものも読んでいないのか的な名作なのですが、わたくし今更読んでます、はい。ミステリ初心者なので、お許しを。

もうこの作品、というか以降の「悲劇」シリーズも、その他のエラリー・クイーン氏の著作も、クイーン論も、様々な本格の評論家や好事家らが研究している分野であるので、初心者の私には何も言うことはないでしょう。
なので個人的に、率直な感想を少し。

この作品はクイーンの初期の作品と位置づけられているようです。後期のクイーンの著作にあたる「九尾の猫」もサスペンスが色鮮やかでなかなか面白く読めましたが、やはりクイーンの本領は「論理」にあるのだなと、これを読んで感嘆させられる思いでした。
作中の探偵役ドルリー・レーンが展開する推理は、緻密であり鮮やかであり、論理的な盲点など皆無であるかのように見えるほど。
パズル的ともいえる論理の鎖や意外な結末、重厚な世界観、くせのある名探偵など、これらエラリー・クイーンの創造したこの探偵小説は、現在の国内本格推理作家の多くを魅了し、影響を及ぼしてきたことを、素人ながらにも納得させてくれるものでした。
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  by we_2006 | 2006-09-18 18:29 | ミステリ

乙一 「天帝妖狐」

読了しました。

ようやく読書再開です。


お気に入りは表題作よりも「A MASKED BALL」でしたね。

やっぱり乙一氏の伏線貼りの巧さには感服。
その中で氏独自の色を出させているのも他のミステリとは違うところ。

そういう意味では、異能とか、異才という表現が似合いそうですね。
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  by we_2006 | 2006-09-06 22:40 | ミステリ

はやみねかおる 「そして五人がいなくなる」

これも実家帰省中に読破したものです。講談社文庫版。

「ああ、ミステリを読んだな~」という満腹感でいっぱいです。

ジュブナイルですが、本格の部分はちゃんと踏襲されています。
良いですね。改めてミステリの魅力に触れたような感じで。

読みやすいし、広くおススメできる作品ですね。


この作品を自分が少年の時に読んでいたら、絶対にミステリにはまっていたでしょうねぇ。

というか、今もミステリにはまってるんですけれども。
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  by we_2006 | 2006-09-04 17:10 | ミステリ

東野圭吾 「怪笑小説」

読了しました。初の東野圭吾作品です。

これも「広義のミステリ」には入るかもしれませんが、本格ミステリではないですね。毒のあるユーモア短編小説集、といったところでしょうか。

とても読み易かったです。どの短編も中々に面白くて、あっという間に読んでしまいます。これだけ密度の濃い短編集は他にあまりないでしょうね。

「東野氏はストーリーを作るのが巧い(大意)」というのをどこかで読むか聞いたことがあるのですが、この本を読んで納得。「ストーリー」で読者を笑わすというのはかなり難しいことなんじゃないかと私には思えるのですが、東野氏はこの作品で実現させちゃってますものね。しかも短編集で。

今度は東野氏の「本格ミステリ」作品も読んでみたいですね。どういう風に話を展開させていくのかが気になります。

ちなみに、この作品での私のお気に入りの短編は「鬱積電車」、「超たぬき理論」、「あるジーサンに線香を」です。
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  by we_2006 | 2006-09-02 13:44 | ミステリ

浅暮三文 「実験小説 ぬ」

この作品はミステリではないのですが、面白かったので感想をUPしておきます。

題名の通り、「実験的」な短編小説と、掌編小説(ショートショート)が収録されています。

特に面白いのが短編小説集の方。
それぞれの短編に実験的な趣向が凝らしてあります。
それらの中でいくつか気に入ったものを。

「喇叭」
分かるようで分からないような、ふしぎ~な短編。この独特な不思議さが浅暮作品の魅力かもしれません。

「線によるハムレット」
なるほど。こんな発想もアリか、と感嘆。そして笑えます。

「カヴス・カヴス」
ここで用いられている趣向、技巧は格別なんじゃないでしょうか。凄過ぎます。
作品の幻想的な部分が引き立っているように感じますね。

「お薬師様」
この作品にも面白い趣向が。でもミステリ偏屈読者の私はどうしてもミステリ的な深読みをしてしまうのですね。素直に読後感を楽しめればそれで良いのかもしれません。

「壺売り玄蔵」
これには大ウケ。

「參」
これも独特な形式に感心。こんな書き方もあるんですねぇ。


掌編(ショートショート)の方は、「カフカに捧ぐ」が印象的でした。


しかしこんなに凝った作品集が、実は文庫書き下ろしだったとは・・・。
ハードカバーでも大丈夫だったんじゃないでしょうか?(あ、でも単行本じゃなかったら私はこれを買ってなかったか・・・)

「変わった小説」を読みたい、という方にはおススメかも。
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  by we_2006 | 2006-08-31 01:10 | ミステリ

米澤穂信 「夏期限定トロピカルパフェ事件」

これも帰省中に読んだ作品です。

これはもう「秋期~」を読むしかないですね。

予想を超える展開に驚きましたが、それと同時に納得。本格ミステリとして捉えれば、この展開は必然だったのではないかと今にして思うのです(これ以上言うとネタバレになってしまいそうなのでここまで)

今回嬉しかったのが、解説に「ミステリ」としての本作品の解説が載っていたところ。
シリーズ1作目の「春期限定いちごタルト事件」では、解説はラノベサイドからのアプローチしかなかった(はず)。
今作ではその「春期~」からの流れも含めた上で、ミステリとしての解説が為されてあり、非常に参考(というか勉強)になりましたね。

それにしてもやっぱり「シャルロットだけはぼくのもの」は秀逸ですねぇ。
今作の中では一番のお気に入りです。
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  by we_2006 | 2006-08-28 18:13 | ミステリ

乙一 「夏と花火と私の死体」

ああ、もう日を越してしまいました・・・。

というわけで、3日振りの更新になってしまったこのブログです。

タイトルの作品は、帰省中に読了しました。集英社文庫版です。

表題作はミステリではなくホラーなのですが、これがまた圧倒的です。
文章が圧倒的に巧い。

私はホラー作品の読書経験は皆無なので深いことは語れませんが、とにかく巧いと思います。
場面の盛り上げ方を踏まえていて、なおかつ独特な視点で読者から何とも言えない(恐怖とも違う、敢えて言うなら「黒い」でしょうか。「黒乙一」と呼ばれてもいますし・・・)幻想のような感覚を引き出させていると思います。こういうのをホラーを言うのでしょうか。

そして何よりすごいのが、この表題作が著者の17歳のデビュー作であり、執筆時は16歳であったこと。

16歳、16歳、16さい、じゅうろくさい・・・(エコー)
16歳でこんな作品を書いてしまうなんて・・・。

これが才能というものなんでゲスかね。語尾が変になってしまったでゲスよ。


図らずもこの作品を読んだのが「夏」。
しかも帰省先の田舎で読んでしまったので、シチュエーションばっちり。
おかげで強烈な印象が残ってしまいましたよ・・・。

「夏と~」には表題作と「優子」という短編が収録されていますが、こちらのほうはミステリですね。
でも正直、「優子」の結末よりも、「夏と花火と私の死体」の文章の巧さに驚いてしまった自分なのでした。
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  by we_2006 | 2006-08-28 00:31 | ミステリ

鯨統一郎 「ミステリアス学園」

読了しました。

軽いテンポで、一気に読んじゃいました。疲れた~

もう何ていうかいろんな意味で面白いです、この作品は。
所々に散りばめられた小ネタもミステリ読者にはたまらないでしょうし、作中の色々なミステリ講義は私にとってすごく勉強になりましたし(笑)

解説で乾くるみ氏が「初心者向けのミステリの解説書を小説にして著したようなもの(大意)」と仰っていたように、「本格ミステリ」というものに対してさらに興味が湧きましたね。「本格ミステリ」を読んだことのない人にも同じ感情を抱かせると思います。

しかし後半はトリック云々よりも、笑いをこらえるのに必死でw
もうここまで来たらギャグなのではないかと一瞬思ったほど。

でも面白いです。稚気満載です。稚気に満ち溢れています。稚気が溢れちゃってます。

褒め言葉ですよ。
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  by we_2006 | 2006-08-02 19:06 | ミステリ

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