カテゴリ:ミステリ( 49 )

 

候補作

第8回本格ミステリ大賞の候補作が決まったようです。


小説部門は、

有栖川有栖 「女王国の城」
歌野晶午 「密室殺人ゲーム王手飛車取り」
柄刀一 「密室キングダム」
三津田信三 「首無しの如き祟るもの」
米澤穂信 「インシテミル」


有栖川氏は「マレー鉄道の謎」、「スイス時計の謎」に続いて3回目のノミネート。
柄刀氏は「ゴーレムの檻」、「時を巡る肖像」に続いての3年連続3回目のノミネート。
歌野氏は「葉桜の季節に君を想うということ」で第4回の大賞を受賞しています。
三津田氏、米澤氏は初のノミネート。

このラインナップは凄い!どの作品が大賞になってもおかしくないですよ、これは!(ってどの作品も読んでない奴が言うかw)


評論・研究部門は、

石上三登志 「名探偵たちのユートピア」
小森健太朗 「探偵小説の論理学」
法月綸太郎 「法月綸太郎のミステリー塾(日本編・海外編)」


小森氏は第2回の「『妾の罪』における叙述トリックの位相」以来、2回目となるノミネート。
石上氏は初のノミネート。
法月氏は小説部門では大賞を受賞(「生首に聞いてみろ」)していますが、評論・研究部門では初のノミネート。

決定するのは5月頃になるのでしょうか。楽しみです。
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  by we_2006 | 2008-02-12 19:20 | ミステリ

山口雅也:編 「山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー」

いやぁ、久々の読了です。


いやあ、このアンソロジーは凄まじい!
この中の短編群だけで何度カタルシスを感じたことか・・・。

特に後半にある短編は、どれをとっても一級品。
リドル・ストーリー、幻の本格作家、密室・・・・・・。

中でも「密室の競演」と題された章は、ミステリマニアの方でも大満足できる短編群ばかりでしょう。ミステリ初心者の私は悶絶しっぱなしでした。


お気に入りは、

ジェイムズ・パウエル 「道化の町」
坂口安吾 「ああ無常」
フランク・R・ストックトン 「女か虎か」
エドワード・D・ホック 「謎のカード事件」
宮原龍雄 「新納の棺」
スティーヴン・バー 「最後で最高の密室」
土屋隆夫 「密室学入門 最後の密室」
アイザック・アシモフ 「真鍮色の密室」


「ああ無常」の圧倒さ、「新納の棺」・「最後で最高の密室」の驚愕トリック、ホックが提出した絶妙な解答、土屋隆夫のプロットの冴え、アシモフのアイデアの奇抜さ・・・・・・どれをとっても、とびきりの傑作でしょう、これは。
もう、大大大満足です!


さて、これで、角川文庫から出ている新本格作家(有栖川有栖・北村薫・法月綸太郎・山口雅也)による「本格ミステリ」のアンソロジーは4冊とも読破したことになりました。

ホント、世の中にはいろんなミステリがあるもんだ。
だから、ミステリは止められない。
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  by we_2006 | 2008-02-03 13:19 | ミステリ

有栖川有栖:編 「有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー」

はいはい、連続投稿です。

これは1週間前に読了した作品。ちょびちょび読んでいたので、意外に時間が掛かりました。


実のところ、この作品の最後に載っているジョン・スラデックの「見えざる手によって」が読みたいという動機で読み始めたのですが、他の作品も、これが存外に面白かったのです(そりゃ有栖川さんのアンソロジーですもんね・・・)

中には、「論理の蜘蛛の巣の中で」で今年度の推理作家協会賞(評論・その他部門)を受賞した巽昌幸氏の、京大推理研時代の短編も入っていたりするのです。

北村氏のアンソロジーと比べると、有栖川氏自身も言っているように、「トリック中心」のものが多数収録されていて、もうお腹いっぱいという感じ。その中に1つ、「台湾出身の作家が書いた、スイスが舞台の鉄道ミステリ」という珍品があったりして、それも中々に楽しめました。


お気に入りは、

巽昌幸 「埋もれた悪意」
白峰良介 「逃げる車」
ロバート・アーサー 「五十一番目の密室」
海渡英祐 「『わたくし』は犯人・・・・・・」
ジョン・スラデック 「見えざる手によって」


「五十一番目の密室」には驚愕ですね。「『わたくし』は犯人・・・・・・」は作者の巧みな罠に思わず唸ってしまいました。「埋もれた悪意」は、これはもう傑作です。
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  by we_2006 | 2007-10-29 23:15 | ミステリ

北村薫:編 「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」

読了しました。

といってもこれを読み終えたのは先月の中旬。

感想を書くのを忘れていたわけではないけれど、サボっていたわけでもない(苦しい言い訳)


実は、北村氏の著作はまだ読んだことがなく、編著から読むという変則技(?)をしてしまったわけですが、これは同時期に出された有栖川有栖:編の「有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー」の中に収録されている短編の中に、本作に収録されているローレンス・G・ブロックマン著「やぶへび」のトリックに言及している箇所があったためなのです。

つまり上記の有栖川さんのアンソロジーを先に読んでしまうより、北村さんのアンソロジー(本作)を先に読んだ方がネタバレしなくて済む、ということなんですねぇ~。

とまあ、苦しい言い訳が続いていますが(汗)


このアンソロジーの中で特に圧巻だったのが、前半の密室もの3作と最後にある「ジェミニー・クリケット事件(アメリカ版)」。
ちなみに「ジェミニー~」は初読だったので、イギリス版との違いというより、普通に「こりゃすごい」と思えた作品です。

法月氏のアンソロジーとはまた別の意味でマニアックで(西條八十の作品が入っていたりする)、重厚な「本格」味を堪能させていただきました。


お気に入りは、

レナード・トンプスン 「スクイーズ・プレイ」、「剃りかけた髭」
深見豪 「ケーキ箱」
クリスチアナ・ブランド 「ジェミニー・クリケット事件(アメリカ版)」


個人的には、「剃りかけた髭」が好み。
「ジェミニー~」は「人も知る名作中の名作」なのだそうで。知りませんでした。そりゃすごいはずだ。自分の勉強不足っすね。
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  by we_2006 | 2007-10-29 22:47 | ミステリ

G・K・チェスタトン 「ブラウン神父の童心」

読了しました。創元推理文庫版です。


「シャーロックホームズものと双璧をなす、短編小説の宝庫」で「トリック創案率は古今随一」とまで謳われた古典中の古典ですね。

確かに奇想天外なトリックも魅力といえばそうですが、むしろ読むべきものは著者独特の風刺やユーモア、逆説、警句だともいえそうです。それにチェスタトンのトリック(というかプロット)が結びつくと、何とも言えない幻視的な感覚になるのも不思議です。

舞台はどれも至極人工的なものばかりですが、論理的な部分に飛躍があったり、少々無理やり進めているところもあります。ですが、逆にそのアクロバット的(非論理的)なところがこのシリーズの最大の魅力であるようにも感じられるのです。


お気に入りの短編は、「秘密の庭」、「奇妙な足音」、「見えない男」、「折れた剣」、「三つの兇器」。
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  by we_2006 | 2007-09-05 07:29 | ミステリ

泡坂妻夫 「奇術探偵曾我佳城全集 秘の巻」

読了しました。

いやいや、久しぶりの読書感想ですよ。


本作は2000年に刊行された「奇術探偵曾我佳城全集」を2冊に分冊文庫化したもののうちの1冊。美貌の女奇術師探偵、曾我佳城が活躍する短編シリーズです。

やっぱりマジック(奇術)とミステリの親和性は高いですねぇ。
マジックでは不思議な現象、ミステリでは謎として提起された事件(の解決)が示され、観客(読者)はそれを驚愕を持って迎える。
奇術師は種をもって観客を欺き、ミステリ作家はトリックをもって読者を騙す、という構図も類似しているし、奇術師(ミステリ作家)によるパフォーマンス(騙り)によってショー(作品)の良し悪しが色濃く出てしまう点も面白いところ。

本作の短編も、様々な奇術が出てきていますが、マジックをあまり知らない自分でも充分に楽しめました。「日本のチェスタトン」、泡坂妻夫氏はやはり偉大です。

個人的なお気に入りは、「花火と銃声」、「消える銃弾」、「バースデイロープ」、「ビルチューブ」、「七羽の銀鳩」あたりです。

もう一方の文庫「戯の巻」の方も、俄然読むのが楽しみになってきました。
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  by we_2006 | 2007-06-09 00:06 | ミステリ

法月綸太郎:編 「法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー」

読了しました。

法月綸太郎繋がりということで読み始めたんですが、さすがご本人が編んだアンソロジーだけあって、非常に密度が濃かったです。

章立ての構成も面白いですね。それに奇想小説、パロディ、密室、皮肉、犯人当て、哲学・・・何でもありです。どの短編もマニアックで、充分堪能させていただきました。

その中でもお気に入りは、

ロナルド・A・ノックス 「動機」
C・デイリー・キング 「消えた美人スター」
クリスピン&ブッシュ 「誰がベイカーを殺したか?」
中西智明 「ひとりじゃ死ねない」

でした。特に「誰がベイカーを殺したか?」は「読者への挑戦状」付きなのにも関わらず、度肝を抜かれてしまいました。
「ひとりじゃ死ねない」も、犯人当て小説としては、傑作に入れておきたいくらいの作品だったと思います。
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  by we_2006 | 2007-04-21 12:36 | ミステリ

法月綸太郎 「雪密室」

読了しました。

てかやっぱり更新が週一になってるorz

法月氏の諸作(特に最初の3作)は、作品ごとに大きく作風が変わっているのが特徴らしいです。実際、前に読んだデビュー長編「密閉教室」と今回の「雪密室」は別の人が書いたのかと思うくらい、違った側面が強調されていましたね(でも両作品の論理の緻密さは、やはり法月氏といったところでしょうか)

個人的には今回の「雪密室」の方が、トリックとしてもプロットとしても好み。
次作の「誰彼」にも期待大、ですね。
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  by we_2006 | 2007-04-06 14:24 | ミステリ

はやみねかおる 「亡霊は夜歩く」

実家に帰省中に読了してきました。講談社文庫版。

ジュブナイルのシリーズですが、大人のミステリファンも思わずニヤリとさせられてしまうくらい、ミステリー度も高い作品です。

今作も、伏線の貼り方がお見事でしたね~。
個人的には、前作の「そして五人がいなくなる」よりもお気に入りになるかもしれません。


さて、シリーズ次作は「消える総生島」。こちらは消失モノで、個人的にも期待大。
講談社文庫で早く出ないかな~(まあ、青い鳥文庫でも良いのですが・・・・・・)
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  by we_2006 | 2007-03-05 23:25 | ミステリ

我孫子武丸 「メビウスの殺人」

読了しました。

5日間も沈黙していたのは、これと「0の殺人」読んでいたからで・・・(というのは30%嘘で70%は本当)

「8の殺人」「0の殺人」とはかなり違った要素を盛り込ませています。そして挑戦的なことをやっていますね。(どういうことかは読み始めればすぐに分かると思いますが)

トリックのメインテーマは「ミッシング・リンク」といってよいと思いますが、作る側にとって、ミッシング・リンクは一番やりにくいものではないでしょうか、と自分で勝手にそう思っております。
しかし、本作はレッドへリングや構成を巧みに使って、この「ミッシング・リンク」のテーマで読者を最後まで欺かせることに成功していると思います。

そして注目すべきは「殺戮にいたる病」に繋がっているらしいサイコ・サスペンス的な要素が含まれていること。本作を読んでから我孫子氏の代表作「殺戮にいたる病」を読んで、一つの流れを俯瞰してみるのも一興かも知れません。(斯く言う私も、「殺戮にいたる病」をまだ読んでいないんですけどね・・・orz)

さて、我孫子氏の著作を続けて読んだところで、次は何を読みましょうか・・・。
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  by we_2006 | 2007-01-22 09:02 | ミステリ

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