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2006年ミステリ私的ベスト10

そうです、忘れていました。1年が終わればこれができるのです。マイ・ランキング。

ということで、去年の自分なりのミステリ総括として、2006年長編ミステリ私的ベスト10と、2006年短編ミステリベスト5を発表したいと思います。

対象は2006年に読了したミステリ作品。
冊数でいうと、合計で24冊になります。(やっぱり少ない・・・)

では、まずは長編ベスト10の方から。


1位 「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」 麻耶雄嵩
・2006年上半期私的ベストで1位でしたが、そのまま2006年のトップに。論理、名探偵、世界観。すべてが圧倒的。

2位 「そして扉が閉ざされた」 岡嶋二人
・こんな本格が読みたかった・・・。1位の作品は私の理想を軽く跳び越えてしまいましたが、これは私の理想に最も近かった作品。傑作です。

3位 「ロートレック荘事件」 筒井康隆
・あの衝撃が忘れられない。前代未聞のトリック。衝撃度だけでみれば、2006年のトップ。

4位 「Xの悲劇」 エラリー・クイーン
・今の新本格と海外名作古典を同列に並べてもいいのだろうか?否、そんな疑問は不要。なぜならこれはこの私のための、ごくごく「私的」なベスト10なのだから!
今年はもっと古典を読めますように(←他力本願)

5位 「夏期限定トロピカルパフェ事件」 米澤穂信
・古典の次はいきなり新しいぞ?去年、唯一読んだ2006年初版の作品。いいじゃないか、良かったんだもん。面白かったんだもん。そしてこの無秩序さこそが「私的ベスト」の醍醐味なのだよ。

6位 「殺人喜劇の13人」 芦辺拓
・充分すぎるほどのギミック。素晴らしいプロット。ミスディレクションの凄さに圧倒されます。惜しむらくは、読み難くなるくらい誤植が多かったこと(これは著者の責任ではないのですが・・・)。それとも、文庫の初版はこれぐらいの誤植なんて普通なのでしょうか?

7位 「月光ゲーム Yの悲劇88'」 有栖川有栖
・ミステリとしても青春小説としても楽しめた作品。ロジックを重視した展開は「本格ミステリの王道」を突き進んでいてまさにクイーンの継承者!

7位 「長い家の殺人」 歌野晶午
・上半期と同じく「月光ゲーム」と同率順位。地味な印象を受けますが、不可能状況を生み出すトリックが秀逸。

9位 「しあわせの書 迷探偵ヨギ・ガンジーの心霊術」 泡坂妻夫
・何か書いたらネタバレしそうで怖い。とにかく読めば最高の驚愕が待っているはず。それしか書けません。

10位 「そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート」 はやみねかおる
・ミステリの魅力がたくさん詰まったジュブナイル。この作品を子どもの頃に読んでいたなら、もっと早くにミステリファンになっていたでしょうね。

次点 「ローウェル城の密室」 小森健太朗
・正直言うと、トリックを知ったとき、「にやり」というのを通り越して、笑ってしまいました。それぐらい意外で、ピカ一な密室トリック。でもあの時の感情は何だったのでしょう?


次は短編のベスト5。


1位 「薔薇荘殺人事件」 鮎川哲也 (「五つの時計」より)
・私はフーダニットが好きです。ガジェット満載の稚気溢れる作品が好きです。そして、「読者への挑戦」はもっと好きです。

2位 「おいしいココアの入れ方」 米澤穂信 (「春期限定いちごタルト事件」より)
・とにかくお気に入り。タイトルからしてアレですけど、とにかくお気に入り。

3位 「A MASKED BALL およびトイレのタバコさんの出現と消失」 乙一 (「天帝妖狐」より)
・最初に読んだ乙一作品。伏線の妙も見事ですが、著者独特の幻想性が目を引きます。

4位 「五つの時計」 鮎川哲也 (「五つの時計」より)
・最初に読んだ鮎川作品。鮎川哲也恐るべし!稀代のトリック・メーカーはやっぱり凄かった・・・。

5位 「シャルロットはぼくだけのもの」 米澤穂信 (「夏期限定トロピカルパフェ事件」より)
・これも秀逸な作品。推理作家協会編「ザ・ベストミステリーズ 2006」にも収録されるほど。

次点 「不思議な省略」 アイザック・アシモフ (「黒後家蜘蛛の会1」より)
・著者の博覧強記振りが十二分に活かされている作品。アシモフ、偉大なり。


以上、ごくごく私的な2006年ミステリベストでした。

  by we_2006 | 2007-01-12 19:15 | ミステリ

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