小森健太朗 「ローウェル城の密室」

読了しました。

いやあ、久しぶりに何ともいえない微妙な気分にさせられた作品ですね(いろんな意味で)。

本作は、1982年の江戸川乱歩賞の最終候補に残ったというもの。
そして、作者の小森健太朗氏は当時16歳(応募当時は別名義)で、史上最年少での乱歩賞最終候補入りになったということと、どうやら「前代未聞」のトリックが使われているらしいということが、かなり話題をさらったそうです。

確かにトリックは「前代未聞」と言えるでしょうね。正直なところトリックに対する評価は芳しくないのもあるようですが、私は素晴らしいトリックだと思っています。

おそらく私自身の一つの傾向として、こういうある意味極北を突き進んでいくようなものを好むというのがあると思います。
まあ好きなのは好きなんですが、やはりそれと同時に、こういうのは激しく賛否が分かれるんだろうなぁ、とも感じてしまうのですね。自分が好きなんだからそれでいいっちゃいいんですが。

ただ、前半部分が少し冗長かなと。事件が起きるのが全体の3分の2を過ぎてからというものちときついですね。
でも読み終わった後で、この奇妙なテンポの前半部分も、これはこれで面白いかなと感じてしまうんです。この妙な居心地の悪さも、実は作者の企みの内なのではないかと思えてしまうくらいに。
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  by we_2006 | 2006-11-17 16:16 | ミステリ

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